部門

放射線課

Radiation

当院の放射線検査について

放射線課は、国家資格を有した診療放射線技師16名(男性9名・女性7名)で構成されており、医師をはじめ、看護師などのスタッフと連携をとりながら、24時間緊急検査に対応できる体制を整えております。業務内容は一般撮影(レントゲン撮影)、マンモグラフィ、CT、MRI、X線TV検査、血管造影・カテーテル治療など多岐に渡り、当院の医療における画像診断部門を担っております。チーム医療を支えるコメディカルスタッフの一員としての意識を高く掲げ、診療を行う上での正確な画像情報の提供と、機器の精度管理、患者さまへの安全の確保に日々、努力しております。

 「放射線」と聞くと、放射線被ばくによる身体への影響を恐れる方が多いと思います。しかし、私たちは普段の生活をしている中で、大気中などから自然界に存在する放射線を常に浴びており、年間1人あたりの線量は平均2.4ミリシーベルトと報告されています。一方、胸部X線撮影で受ける被ばくは、1回の撮影で0.05ミリシーベルトです。検査によって何か身体に影響が出るという値ではありませんので、安心して検査をお受けください。

放射線検査と医療被曝FAQ

一般撮影(レントゲン)検査

当院の一般撮影装置は、外来・健康診断を受診の方用(3台)、入院・救急の患者様用(1台)を使用しています。装置も従来のフィルムではなく、短時間で高画質な撮影が可能であるFPD(フラットパネルディテクタ)と呼ばれる最新の装置を採用しております。肺炎や粗大な腫瘤などをはじめとした、胸部、腹部の撮影から、手足の骨折など様々な部位の撮影が可能です。被ばくも比較的少量で、簡便かつ迅速な検査が行えます。

X線CT(Computed Tomography)検査

当院のCT装置はマルチスライスCTといわれる、短時間で広い範囲を鮮明に撮影することができるCT装置です。CT検査によって、体を輪切りにしたような画像が得られ、様々な病気を発見することができます。撮影寝台に寝ているだけで簡単に検査が行えますが、撮影する部位によっては息止めを行っていただく場合があります。

 CT検査の中には、造影剤という薬を使用して撮影する造影CT検査があります。造影CT検査は、

普通に撮影されたもの(単純CT)と比べ、各臓器の区別や血管、組織内の病変などが明確に写し出されるため、病気を診断するうえで、とても役立つ画像を得ることができます。下に示すのは肝臓のがんのCT画像です。造影CT(写真右)では、単純CT(写真中央)のものより血管や病変の部位がはっきりと写し出されているのがわかります。また、撮影のタイミングを変えることでがんの部分の造影剤濃度(白さの度合い)の変化や周囲組織への転移(病気の広がり)などを同時にとらえることができます。さらに、最新の画像処理により3D画像(写真下)の作成を行い、病気や身体を立体的に観察ができ、患者様にもわかりやすい画像を提供しております。

MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査

MRI検査は、CT検査のように体の断面画像を作って病気を診断する検査です。但しCT検査とは違いX線を用いず、強力な磁力と電波を使って画像を作ります。CT検査は小さな病変を見つけたり、広範囲の確認をすることが得意です。MRI検査では色の濃淡(コントラスト)がCT検査に比べわかりやすいため、病変がより明確に見られることがあります。また血管の状態を確認するのに「造影剤」という薬剤を使用せずに検査ができます。どちらの検査にもいい部分があるので、より得意な撮影部位や病気の種類によって使い分けや併用がされます。

MRI検査はX線による被ばくの影響はありません。磁力や電波で体に悪影響が出る可能性は限りなく低く、非常に安全性の高い検査と考えられています。また、使用する電波の影響により体が若干暖かくなり、汗をかくこともあります。特に冬場など保温性の高い衣類を着用している場合は過度に発汗する恐れがあるため着替えにご協力お願いします。

検査時間は長く15~60分程度かかるため、閉所が苦手な方にとっては大変な検査と言えます。また磁力を使う仕組み上、非常に大きな音が出続けます。ヘッドホンや耳栓、また固定具を用いてこれらに対応していますが、少しでも負担を減らし検査ができるよう苦手な方は予め医師または担当の診療放射線技師に相談していただけると幸いです。


マンモグラフィ

マンモグラフィはX線を使った乳房検査のことで、主に乳がんを見つけるために行います。

 当院では、女性の診療放射線技師が専任してマンモグラフィの撮影を行っております。

 検査方法は、片胸ずつ上下方向や斜めから圧迫板で挟み撮影します。乳房の中がよく見えるように、診療放射線技師の手で薄く伸ばして、乳腺の重なりを押し広げて圧迫します。最終的に圧力を感じると思いますが、なるべく短時間で撮影いたします。

 40歳以上の方は2年に1回は乳がん検診を受けることが推奨されています。また、撮影した画像は、以前受けて頂いた過去の画像と比較読影しますので、なるべく同じ施設で受け続けると良いです。


X線TV検査

X線TV検査はCT、MRI、マンモグラフィ検査と違い、静止画だけでなく動画を観察して検査や治療をすることができます。

X線TV検査は多岐にわたり、皆さんにも馴染みのある胃バリウム検査だけでなく大腸バリウム検査、その場でバリウムを混ぜた液体や食事を透視で観察しながら飲み込み、嚥下機能を確認する嚥下機能検査、造影剤を血管の中に注入し人体の排泄機能を利用して尿管や膀胱を観察する点滴静注腎盂造影検査、高齢化社会に伴い増加している変形性膝関節症の患者様の術前に行う下肢全長撮影検査、背骨の湾曲を検査する全脊椎撮影検査などがあります。

胃のバリウム検査は患者様にゲップを我慢して頂いたり、動いて頂いたり負担が大きい検査ですが、胃の中の粘膜の様子が観察でき、胃がんの早期発見に重要な検査です。

また不妊治療で必要になる検査で子宮卵管造影検査があり、子宮口から造影剤を注入し透視下で撮影を行うことで、卵巣と子宮をつなぐ卵管に詰まりがないかを調べます。こちらの検査はとてもナイーブな検査であり、患者様が安心できるよう女性の診療放射線技師だけで対応しています。