~「ちょっとだけ」絵本をご紹介します~

赤ちゃんが生まれ、お兄ちゃんお姉ちゃんが、赤ちゃん返りして大変なんです。
という話をよく聞きます。

自分でご飯を食べられるのに食べさせてもらう。
一人でトイレに行けなくなった。など、
今まで出来ていた事が出来なくなるので、手が掛かって大変です。

自分に向いていた目や愛情が、全部赤ちゃんにいってしまったような感覚、わかりますね。
寂しい思いをさせて可哀そうだなと思う反面「忙しい時に限ってどうしてこんな事するの?」と、
つい大きな声を出してしまい…あとで後悔。

そんなパパ・ママに「ちょっとだけ」という絵本を紹介します。
なっちゃんは、お姉ちゃんになりました。
お買い物の時、手をつなぎたいけれど赤ちゃんを抱っこしているのでつなげません。
ちょっとだけママのスカートをつかんで歩きました。
着替えようとした時、髪を結んでもらいたい時、ママは赤ちゃんのお世話をしているので自分でやってみます。
ちょっとだけ成功しました…

私は読んでいくうちに、涙が出そうになりました。
テーブルにこぼした牛乳を見て叱るのではなく、
コップに少し入った事を「ちょっとだけ成功した」と褒めてあげれば良かった。
約二十年前の事を昨日の事のように思い出し反省しました。

日常の忙しさを理由に、つい感情が先走る事がありますね。
絵本の中のママは、別の見かたを教えてくれます。
病院1階のひだまりと、産婦人科病棟に置いてありますので、機会があったら読んでみて下さい。

 東葛病院外来師長 M

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「ちょっとだけ」
作:瀧村有子
絵:鈴木永子
福音館書店刊行

掲載日:2017年10月30日/更新日:2017年10月30日

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