東葛の健康 No.388(2016年11月号)
- 新病院を名実ともに地域の財産に – 東葛の医療 地域づくり
- 子育て応援コラムKids’n Baby’s(きっずんべいび~ず)
- 東葛病院 付属診療所 – 地域サロン(下花輪)
- 歯科コーナー「知っていました?」<隔月掲載>
- 相談室の窓から 患者サポートセンター
- 第28回とうかつ健康まつり
- 東葛病院の医療を良くする委員会報告
- いのちと人権の現場から
- 東葛病院・付属診療所の医療活動(2016年10月分)
新病院を名実ともに地域の財産に – 東葛の医療 地域づくり
明日の東葛病院を見すえて
1998年診療部長、2009年以来7年間東葛病院院長を務めた下正宗医師が10月30日退任し、井上均医師が院長の任に就きました。
今号では下正宗医師が院長在任中の取り組みも含めふり返ります。下前院長の経歴は東葛病院の歴史そのもの。今後も病院の医療活動の中心として活動して頂く期待を込めご紹介します。 (編集部)
新病院建設の歩み
理事長代理 下 正宗
標本作製室マクロ撮影機前で
2016年10月30日をもって病院長を退任しました。これまでのご支援、ご協力に感謝するとともに、今後とも東葛病院への応援よろしくお願い申し上げます。
東葛病院にはカンファランスなどで何回か来ていましたが、1992年12月に法人合同に伴い病理医として代々木病院より異動しました。当時から、東葛病院だけでなく、代々木病院や王子生協病院などの検体の診断を行ってきました。また、医師臨床研修必修化の前でしたが、地域でともに医療を作り上げる仲間として新卒の医師を受け入れ、研修システムを作り上げてきました。
1998年11月に診療部長、2009年6月に病院長を拝命し、病院全体をコーディネイトする役割を担いました。病院の最も中心となる医療活動=診療を組み立てるうえで、多くの職種がダイナミックにコミュニケーションをとりながら活動していくことの重要性を再認識し、情報の集約や意思決定の過程を迅速により合理的に行えるような取り組みをしてきました。
2011年3月11日の東日本大震災では、建物が被災したにも関わらず、多くの方々の協力で、いち早く復旧を果たし診療を再開することができました。いざというときの協力体制の重要性と職員の底力を実感しました。この震災をきっかけに一気に病院の新築移転の動きが加速しました。職員がさまざまな視点で医療構想を練り、11本の柱で活動する新病院の方針が決まりました。医療福祉機構の融資の面接では、職員の団結を自信にして構想のプレゼンテーションを行いました。新病院建設の経済的な背景を担保するための大切な交渉でしたので、大変緊張したことを今でも思い出します。
これからの東葛病院
地域の財産であるこの新病院を、名実ともに地域を守るための砦として活用していくのは、働くスタッフの使命だと思います。また、このことは、共同組織をはじめとした地域の皆さんの協力がないとできないことです。
後任の井上均院長は、法人合同前の東葛病院に支援/異動第一陣で着任し、内科、透析部門を中心に活躍されました。代々木病院の勤務を経て再び戻ってこられました。
今後は、病理医/検査医として診断や診療支援の業務を続けるとともに、現場での職員育成や共同組織の活動にも関わり、安心して住み続けられる地域づくりを担う人材養成にも参画していきたいと考えています。これからもよろしくお願いします。
子育て応援コラムKids’n Baby’s(きっずんべいび~ず)
抱き癖ばんざい!
幸せのホルモン
「抱き癖がつくから良くない…」と、耳にしますが悪いものなのでしょうか?
泣いている赤ちゃんに、優しい声かけと抱っこで応える。この繰り返しの中で、嫌な事があったり、不安な気持ちになっても、すぐに応えてくれる人がいると知り安心感を覚えます。それと同時に抱かれている肌の感触、温かさを感じ「幸せのホルモン」オキシトシンが分泌されます。抱っこやなでなでされる側は勿論、している側にもオキシトシンの分泌が促されるそうです。互いに癒される。という事になります。
東京保険医協会HPより
自立のための基礎
抱っこばかりして甘やかすと、自立心が妨げられると言われた時期もありましたが、そうではありません。たっぷりのスキンシップによって、甘えの欲求が十分に満たされ、受け入れてもらえた安心感から自分に自信が持てるようになります。それが自立のための基礎となっていくのです。そう考えると抱き癖は、幸せな事だと思いませんか?。抱き癖ばんざい!です。
とは言え、なかなか眠ってくれない赤ちゃんを、ずっと抱き続けるのは、とても大変な事です。辛くてお母さん一人ではやっていけないものです。家族や周囲の人に手助けを求めましょう。仲間作りをしていきましょう。「地域みんなで子育てを!」私達も応援していきます。
外来看護師長 松永 由美子
東葛病院 付属診療所 – 地域サロン(下花輪)
地域サロン「ぴーすふる」を開設しました。
流山市高齢者ふれあいの家 – ぴ~すふる
今年10月、東葛病院付属診療所の2階(旧小児科外来)でサロンを開設しました。11月からは「流山市高齢者ふれあいの家」として登録され、市の支援事業の一端も担います。
利用料は無料。ケガなどに備え保険加入(年間三〇〇円)をお願いします。月曜日から金曜日(祝日休み)10時から16時の間で好きな時に来ていつでも帰ることができます。
子どもから高齢者まで
子どもから高齢者まで年齢にかかわらず利用でき、ふらっと立ち寄りお茶のみだけでもいい所です。興味のある活動に参加いただき過ごし方は自由です。
生活の中の困りごとも
医療や介護のこと、生活の中の困りごとや悩みなど自由に話せる場になるといいと考えています。必要な時には専門職の協力を得ながら解決に向けて取組む住民主体の活動の場です。
平和で安心な街づくり
サロンの名前はボランティアさん、スタッフの多くの方が考え、41もの候補が挙げられました。審査会はだれでも参加でき意見を交わして名称を決めました。そのように決まった名称の「ぴーすふる」は平和な状態を指すもので、平和憲法(第9条)が守られ平和な社会の実現へと願いを込めています。そして、「無差別・平等の地域包括ケアの構築」として、「だれもが安心して住み続けられるまちづくり」をここに集う人々が中心となり、展開していきましょう。お問合せ04―7158―9232(通所リハビリ内)
地域サロン「ぴーすふる」が開設。付属診療所2階(流山市下花輪409-6)
東葛病院付属診療所 大平 てる子
歯科コーナー「知っていました?」<隔月掲載>
フッ素の役割と効果 – 意識的に取り入れ強い歯に
東葛歯科 歯科衛生士 唐品 瞳
フッ素は歯に良いというイメージはありますが、フッ素がどんな役割かを紹介します。
フッ素は自然に存在している元素です。海、川、土壌など自然の中に存在しています。
私達は自然からできた産物を無意識のうちに取り込んでいます。フッ素が多く含まれる食としては、塩、魚、お茶などがあげられます。
栄養素としてのフッ素
私達の体の中にも骨や歯の中に存在しており、健康を維持するための栄養素として知られています。しかし、食べ物や飲み物だけでは、歯の健康を保つのに十分なフッ素の摂取は不可能で、虫歯予防のためには自分達で意識してフッ素を歯に取り込んでいくしかないです。
東京歯科保険医協会HPより
フッ素の効果
フッ素の歯への効果は歯を強くすること、歯を再石灰化すること(歯が酸で溶け出したのを唾液で元に戻すこと)、抗菌作用で歯を守ってくれることです。
むし歯のリスクを下げる
フッ素は子供だけでなく大人にもとても大切です。
歯周病や年齢とともに歯肉が下がって歯根が露出してくるのですが、その部分は虫歯に対する抵抗性が低いのでフッ素で強化してむし歯のリスクを下げたほうがよいと言われています。
大事な歯を虫歯から守りましょう。
相談室の窓から 患者サポートセンター
ソーシャルワーカー 安西 彩子
新人相談員の安西彩子です
皆様、こんにちは。私は東葛病院患者サポートセンターで相談員をしておりますMSWの安西彩子と申します。私は今年の春に東葛病院へ入職しました。慣れない事も多く、毎日が勉強の日々です。
また、患者さんとお話しするなかで教えていただくことも多くあります。ご高齢の方が多くいらっしゃるので、戦争時代のこと、昔の生活のこと、また流山の土地について、私のまったく知らなかったことを教えて下さいます。慌ただしい毎日ですが、そういった患者さんとの会話に励まされたり、考えさせられたりしています。
心配事は相談員まで!
闘病生活には不安がつきもの。病気の状態のこと、生活や経済的なこと。そういった不安は抱え込まずに是非私たち相談員に打ち明けてください。
私はまだまだ経験不足ですが、少しでも皆様の不安を解消できる存在になれるように日々がんばって参ります。今後とも宜しくお願い致します。
第28回とうかつ健康まつり
健康づくりのイベントに大行列
新病院で初開催
10月30日 新病院初めての健康まつり(第28回目)を流山セントラルパーク駅前の病院敷地内で開催しました。この日は「流山市民まつり」も同駅周辺・生涯学習センターで開かれたため、「参加は(推定)3万人だ」と職員全員が意気込んでの開催でした。実行委員長の井上均院長代理(当時)は「東葛病院は安心して暮らせるまちづくりに医療・介護・福祉の分野でしっかりと地域のみなさまと共に歩みます」と力強く宣言しました。限りある敷地を使っての健康まつりでしたが、友の会の「簡易血管年令測定」は200人、「体力測定」に160人、千葉土建柏流山支部のこども工作教室やゲームには100人以上と多くの市民に集まっていただきました。
医師、看護師体験(幼児版)
ここに東葛病院あり
病院職員は「一般の方に病院を知らせる絶好のチャンス」と全病棟などで医療展示にとりくみ、看護学生室や師長室は医師・看護師体験(幼児版)が大好評でした。中央舞台では流山市のご当地アイドルや恒例の病院医局ダンサーズの登壇に拍手喝采でした。前回までの健康まつりにご協力いただいていた地域のみなさまからは「参加したかった」とお叱りも多くいただきました。この場をお借りしお詫び申し上げます。 実行委員会事務局 新井潔
東葛病院の医療を良くする委員会報告
あなたの声から
- 寄せられた声
- こちら(患者さん)があいさつしても返さない職員がいる。職員のあいさつや受け答えが新病院に相応しくないと感じる。
- 対応と対策
- 相手を思った接遇が、医療現場での基本です。ご指摘いただいた職員の接遇マナーの欠如は、病院側として大きな問題と考えます。院内で「接遇向上プロジェクト」を立ち上げ、計画をもって接遇マナーの向上をはかります。今しばらくのご猶予をいただきたいと思います。
- 寄せられた声
- 病院受付で外国の方が来られて言葉が通じず困っていた。病院の対応は?
- 対応と対策
- 基本的には通訳できる方とご来院頂きたいと考えますが、緊急の場合に備え、アンケートなど外国語対応の書類や診療マニュアル、外国語対応のできる職員のリストアップをすすめています。
●病院・駅前診療所へのご意見ご要望は、病院入口横の用紙で、同ポストへ投函して下さい。
いのちと人権の現場から
「命の集会」で感じたこと
助産師 安藤 みか
ベビーマッサージを行う安藤助産師
写真:柏中学校HPより
10月21日、柏市立柏中学校2年生対象の「命の集会」に参加しました。冒頭で小林由美子助産師が、胎児モデルや画像を用い以下の3点について伝えました。①妊娠中からお母さんは色んなことを学び努力をして、出産・育児に臨んでいること②胎児にも既に多くの能力や生きる力が備わっていて、お母さんと協力して生まれてくること③そのために家族・地域・医療者など周囲の人たちの支えが不可欠であること。反応は予想以上で、特に出産の映像を流すと空気が一気に張り詰め、全員が真剣な面持ちで見ていました。人形での抱っこ練習と妊婦体験ジャケット着用では笑顔が弾けていました。最後は赤ちゃん&お母さんゲストが登場。元気な泣き声に戸惑い、笑顔に癒される表情はきらきらと輝いていました。尊い命を守り引き継ぎ、未来を担ってくれる原石たちを頼もしく思いました。
残念ながら、日本の性教育はまだ地域差があるのが現状です。ご家庭では是非、臆することなく命・性について語り合う機会を何度でも作って頂きたいです。それには決して「早すぎる」時期などありません。
東葛病院、駅前診療所、付属診療所(下花輪)の医療活動 (2016年10月分)
駅前診療所 1日平均外来患者数 | 143人 | ||
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付属診療所 1日平均外来患者数 | 30人 | ||
東葛病院 | 1日平均外来患者数 | 550人 | |
1日平均救急・夜間外来患者数 | 59人 | ||
1日平均入院患者数 | 316人 | ||
手術件数 | 121件 | ||
主な検査 | 血管造影 | 42件 | |
内視鏡 | 703件 | ||
CT | 1,116件 | ||
MRI | 356件 | ||
心電図 | 1,226件 | ||
腹部エコー | 497件 | ||
心エコー | 344件 | ||
救急患者数 | 1,819件 | ||
内 救急車搬入件数 | 268件 |
掲載日:2016年11月1日/更新日:2024年10月25日