東葛の健康 No.383(2016年6月号)

わかばビル4階の東葛歯科・2階の駅前診療所・病院外来
わかばビル4階で東葛歯科診療開始

東葛歯科は流山セントラルパーク駅前のわかばビル4階に全面移転し、本年5月6日より診療を開始しました。新しい東葛歯科の内部は、「ずいぶん開放的になりましたね。」と患者様にはご好評をいただいております。堀内悟東葛歯科所長が話します。

東葛歯科所長 堀内 悟

東葛歯科所長 堀内 悟

お口の機能向上めざして

診療台は今まで通り12台ですが、4台は個室に近い状態で配備しています。バリヤフリーになっておりますので、車いすでのご来院も可能です。エレベーターで直接わかばビル4階にお越し下さい。
外来の診療は、平日と土曜日も含め朝9時から夕方4時までの受付となっておりますが、火・木・金曜日は夜7時まで受付をしております。
診療内容は今までと同様で、保険診療を中心とした一般歯科、小児歯科ですが、東葛病院等と連携した睡眠時無呼吸症候群のマウスピースによる治療も行なっています。また東葛病院に入院されている患者様の歯科治療にも対応しております。診療は基本的には痛いところや気になるところのみの治療に留まらず、お口全体をみて必要な治療をご提案し、患者様と一緒に治療計画を立て、お口の機能向上を図っていきたいと考えております。

定期的なメインテナンス

一通りの治療が終了した後には、定期的なメインテナンスを行なうようにしています。メインテナンスの内容は、歯周病や虫歯の検査、歯磨き指導や歯石取りと歯のクリーニングが主なものです。メインテナンスに関してこんな調査結果があります。歯周病治療後に定期的なメインテナンスを受けている人と受けていない人では、1年間に歯を失う本数の平均値に倍の開きがあり(0・11本対0・22本)、歯周病治療さえ受けない人は3倍以上(0・36本)だそうです。長く自分の歯を維持するには、メインテナンスがとても重要です。
一方、外来診療に通院困難で在宅療養を行なっている患者様には、歯科訪問診療や口腔ケアを行なっております。月・火・金曜日に訪問可能です。詳しくは東葛歯科までお問い合わせ下さい。

東葛病院前のわかばビル。 4階が東葛歯科。

東葛病院前のわかばビル。4階が東葛歯科。

わかばビル駅前診療所と病院外来

わかばビル2階は、歯科と同じく5月6日に開設した東葛病院付属流山セントラルパーク駅前診療所(所長山口俊和医師)。略称「駅前診療所」です。病院との行き来の距離は50mほどですが、雨の日などにはご迷惑をかけています。身近なかかりつけ医としての「駅前診療所」と東葛病院外来診療との関連や相違点、受診の際のご留意点を説明いたします。
現在、通院されている患者様は、下花輪の東葛病院付属診療所で定期的に治療されていた方が多くお見えになっています。「駅前診療所」は完全予約制の外来となっており、専門性の高い治療、及び療養指導、栄養指導を主に行っています。精密検査が必要な際は、医療設備が整っている、東葛病院での検査が可能です。
私たち「駅前診療所」は、東葛病院患者サポートセンターとも連携し、通院中の患者様が、安心して医療にかかれるように無料低額診療事業も行っています。
地域の皆様には、体調の管理や、病気の治療・予防などを日常的に相談でき、緊急の場合にも対処できる身近なかかりつけ医として医療を提供していきます。「駅前診療所」をどうぞよろしくお願い致します。

駅前診療所・事務長 廣幡道子

2階が「駅前診療所」

2階が「駅前診療所」

各科外来は病院1,2階に   病院1階で外来受付を
病院外来診療のご紹介

東葛病院では1階に小児科、それ以外の内科、外科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、精神神経科、眼科、整形外科、産婦人科などの診察を2階で行なっております。
受付は、病院1階にあり、初めての方、久しぶりの受診の方、紹介状をお持ちの方は、初再診受付の窓口で受付いたします。継続している患者様は、再来受付機で受付が可能です(保険証の確認が必要な場合があります)。旧東葛病院や旧付属診療所の診察券はそのまま使用できます。ご持参ください。

2ヶ所の内科外来
病院2階の外来

病院2階の外来

移転後の大きな違いは、内科外来を、病院と向かいにある駅前診療所の2ヵ所で行なっていることです。
東葛病院の内科では、発熱、腹痛などの内科症状で来られた患者様や健診後の精密検査をご希望の患者様、他院からの紹介状をお持ちの患者様を、予約なしで診察しています。診察後、より専門的な治療、継続した管理が必要な場合は、東葛病院もしくは駅前診療所の予約制の専門外来医師へご紹介しますので、担当医がいない患者様も安心して東葛病院へお越しください。
東葛病院を初めて受診される患者様にも以前からの患者様にも、かかりやすく納得できる外来になるよう外来スタッフで取り組んでおります。外来へお越しの際にご不明な点がありましたら遠慮なくお近くの職員までご相談下さい。

病院医事サービス課 課長 市川亜紀子

歯科コーナー「知っていました?」<隔月掲載>
処置が遅れると危険 – 口腔底蜂窩織炎(コウクウテイホウカシキエン)とは
東葛歯科 山口賢治 歯科医師

東葛歯科 山口賢治 歯科医師

口の底部分の感染症

口の底部分の感染症

先日病棟でこれに該当すると思われる症例に出会いました。抗生剤治療の発達した現在では少なくなった病気ですが、治療が遅れると致命的になる、重い病気です。
口腔底とは舌の下にある口の底の部分です。ここは軟らかい組織でできているために、この部位の炎症は周囲の組織に広範囲に広がりやすい性質があります。
多くは虫歯などの炎症が口腔底に及ぶことが原因です。糖尿病の治療が不十分であるなど、感染が起こりやすい状態の場合、とくに発症しやすくなります。

発症の症状

口腔底から顎の下にかけての部位が全体的に腫れ、激しい痛みを伴います。口腔底が腫れて舌が上に持ち上げられるため、舌が2枚あるように見える場合もあります。声を出すことが困難になり、嚥下にも障害が起こります。全身的には発熱がみられます。病気が進行すれば気道(空気の通り道)を閉塞して窒息の危険もあります。

設備の整った耳鼻咽喉科へ
設備の整った耳鼻咽喉科へ

この病気に気付いたら緊急入院、緊急手術のできる設備の整った耳鼻咽喉科を、すぐに受診してください。
入院の上、強力な抗生剤の点滴を行います。腫れが著しい場合は、圧迫を減らしたり、貯まった膿を除去する目的で頸部を切開する手術をします。窒息の危険のある場合には、気管に穴をあけたり(気管切開)、鼻から管を挿入して、呼吸の管理をすることもあります。
病状が急変することも少なくないため、10%以下ではありますが、現在でも死に至る例があります。
このような病気にならないよう日頃から健康管理に努めることが、まず大切です。虫歯は早めに治療し、糖尿病のある人は、コントロールをしておくよう心掛けてください。

子育て応援コラムKids’n Baby’s(きっずんべいび~ず)⑮
夏に流行る病気

外来看護師 鈴木千枝・下内真澄

口の底部分の感染症

ジメジメとした梅雨が明けると夏本番!そんな時期に多い病気の話をします。
・プール熱…アデノウィルスが原因の病気です。高熱が4~5日続き、のどの痛みが強く目も赤くなります。
・ヘルパンギーナ 手足口病…エンテロウィルス、コクサッキーウィルスなどが原因の病気です。両方とも口やのどの中に水泡や潰瘍ができかなり痛みます。ヘルパンギーナは39~40度の高熱、手足口病は37~38度程度の熱で手足にも水泡が出るのが特徴です。
病気にならないために食事前、外出後など手洗い、うがいをしましょう

病気になったら

①食べ物・飲み物はプリン・ゼリー・アイスなど、のどごしの良いもの、麦茶やイオン水などがおすすめです。
②お風呂は高い熱がある時や元気がない時以外は構いません。シャワー浴をお勧めします。
③解熱剤の使い方
熱は自分の体を守る防御反応です。辛そうなときは解熱剤を使って一時的に熱を下げると楽になります。
元気に遊ぶ子ども達も体は意外と疲れます。お家ではゆったりと過ごせるよう心がけ、暑い夏を元気に乗り切りましょう。

6月5日 戦争法廃止 総がかり大行動
政治を変えよう! 国会周辺に4万人

6月5日、全国各地で行われた「全国総がかり大運動」。東京では国会正門前、農林水産省前、日比谷公園前3ヶ所に特設ステージが置かれ、4万人が参加しました。東葛病院と友の会では、車椅子の会員さんも含め10名が参加しました。
国会正門前ステージでは音楽評論家の湯川れいこさん、高野孟さん(ジャーナリスト)、奥田愛基さん(SEALDsシールズ)「安保関連法に反対するママの会@日野」の星野さなえさんなどが相次いでスピーチに立ち、「参院一人区で32人もの野党統一が決定した。みなさんが起こした奇跡です」、「今日を出発点に必ず参議院で勝利しよう」、「誰の子どもも戦場で殺させない。平和を願う国民の願いを今度のたたかいで示しましょう」と訴えたほか、ステージ全てで3野党があいさつを行いました。
参加した東葛健康友の会のKさんは「2000万人統一署名に託された声が、大きな力となって国の政治を動かしつつあると実感する」と話してくれました。(編集部)

国会前に集まった東葛病院職員や友の会役員

国会前に集まった東葛病院職員や友の会役員

いのちと人権の現場から
手遅れだった死亡事例から考える

S・ワーカー 青野理恵

担ぎ込まれたAさん

Aさんと初めてお会いしたのは昨年暮れの寒い日でした。救急外来に担ぎこまれたAさんは、痛みで身動きできない状態でした。長年電気工事会社で働いてきたAさん、加入期間不足で年金の支給が無く、定年後もアルバイト生活でした。しかし、交通事故で負傷し働けなくなり、無保険に。家賃も支払えず、異母弟の家に転がり込みました。埼玉の娘さんが仕送りをしていましたが「これ以上迷惑をかけられない、病院へ行きたい、肩身の狭い生活から自立したい」と昨年1月、娘さんと2人で市へ生活保護の申請へ行きました。

生保は受け付けられず

市の窓口担当者は2人の話を5分も聞かず、「異母弟には収入があり、持ち家に住んでいる」と保護の申請を不受理。約1年後、動けなくなっているAさんを娘さんが発見。Aさんに病院へ行こうと促すも「お金がない、家族に迷惑はかけられない」と受診を拒否。娘さんは「このままでは父が死んでしまう」と思い、知人の市議を伴い再び生活保護の申請へ行き、やっと認められました。
東葛病院へ搬送されてきたAさんの診断名は末期の大腸がんで、既に手の施しようがなく、入院1ヶ月後にお亡くなりになりました。

保護申請の権利

生活に困窮していれば保護の申請をする権利があります。そして国には遅くとも30日以内に保護の要否を回答する義務があります。その権利を奪い、義務を果たさない、何よりも当事者のこれまでの生活背景や思いに耳を傾けようとしない行政の対応に憤りを感じます。

東葛病院の医療を良くする委員会報告
「あなたの声」にこたえて
良くする委員会とは

東葛病院の理念は「人間の尊厳と患者の権利を守り、安全・安心の医療、差別のない医療、納得の医療を患者様や地域の方々とともに目指します」です。地域住民、健康友の会、患者会、他の医療福祉施設、行政の皆さんと「東葛病院の医療を良くする委員会」など患者様、利用者様が直接病院の医療や運営に参加していただく委員会を設けています。
現在月1回「あなたの声」投書箱に寄せられたご意見・ご感想をもとに会議を開催しています。

寄せられたご意見

4月~6月は病院の移転に伴って「あなたの声」投書箱の設置が遅れ、ご迷惑をおかけしました。寄せられた代表的なご意見を掲載します。

駅に近いことは理解するが、提起されたバス縮小は大幅だ。なんとかならないのか
 ご意見を真摯に受け止め、現状の3方面6コースで7月より停留所の追加・運行本数の増加を行います。
1階の案内に看護師を置いて欲しい
 6月より病院師長を中心に配置。ご案内をさせていただいております。
病院玄関やタクシー乗降口の段差をなくして欲しい
 ご不便おかけします。縁石・段差を解消する施工を検討、実施します。
外来フロアに水を飲めるところがない
 6月よりウォーターサーバーを4箇所設置しました。どうぞご利用ください。
見直しと対策

現在病院管理部では、「良くする委員会」に寄せられたご意見も含め、職員からの意見など130項目以上の見直し点を毎日検討しています。しばらくの間多方面にわたってご不便をおかけしますがなにとぞご容赦お願いいたします。

熱中症にご注意ください
1、すごしやすい環境

◆エアコンが苦手な方も、室温は28℃以下にしましょう。
◆エアコンを使わない時間は窓を開けて通気を良くし、扇風機を使用しましょう。

2、水分の補給

◆小まめに少しずつ、1日2リットルくらい水分摂取を心がけましょう。
◆大量の汗をかいた時は水分に塩一つまみ入れて飲みましょう。
◆食事は抜かずに1日3食摂り、日頃からバランスの良い食事を心がけましょう。

3、服装

◆えりや袖が、ゆったりとした、通気性、吸水性の良い、乾き易い服を選びましょう。
◆外出時は帽子や日傘を使い、日陰では帽子を脱ぎ、汗と熱を飛ばしましょう。
◆冷感タオルや保冷剤を使って身体を冷やしましょう。

東葛病院、駅前診療所、付属診療所(下花輪)の医療活動 (2016年5月分)
付属診療所外来(下花輪) 1日平均外来患者数 24人
駅前診療所外来 1日平均外来患者数 138人
病院外来 1日平均外来患者数 433人
東葛病院 1日平均救急・夜間外来患者数 45人
1日平均入院患者数 276人
手術件数 83件
主な検査 血管造影 28件
内視鏡 464件
CT 835件
MRI 336件
心電図 934件
腹部エコー 329件
心エコー 240件
救急患者数 1392件
内 救急車搬入件数 235件

掲載日:2016年6月1日/更新日:2024年10月25日

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