東葛の健康 No.375(2015年10月号)
- 東葛病院の医療【患者サポートセンター】
- 子育て応援コラムKids’n Baby’s(きっずんべいび~ず)
- 歯科コーナー「知っていました?」<隔月掲載>
- 住民と共に歩む東葛病院
- 東葛病院のいのちと平和を守る活動
- いのちと人権の現場から
- 東葛病院・付属診療所の医療活動(2015年8月分)
東葛病院の医療【患者サポートセンター】
困ったら患者サポートセンターへ
入退院支援・連携・相談の各課を統合
患者サポートセンターは、患者さんが安心して住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、これまで以上に支援できる病院になるためにつくられた新しいセンターです。場所は病院2階の玄関を入って真っ直ぐ、救急外来の前を左に曲がった突き当りです。その役割や展望を山本登美子副センター長に聞きました。
困ったら患者サポートセンターに
センター長
濱砂 一光 医師
患者サポートセンターは3つの部署から構成されています。地域連携の窓口となる医療連携課、あらゆる相談に対応する医療福祉相談課、入院から退院までを支援する入退院支援課の3つの部署が一体となって患者さんを支援します。
「困ったら患者サポートセンターに」「ここに連絡すれば相談に乗ってもらえる」と思っていただけることも重要な仕事です。
スタッフは、センター長の濱砂医師(副院長)を先頭に総勢14名が配置されています。困りごとや相談ごとがありましたら、お気軽にお呼び立てください。
東葛病院の医療を変える牽引車に
患者さん・ご家族は医師から入院と言われた時、どのような治療になるのか、退院後の生活のこと・入院期間のこと・費用のことなど多くの不安を持たれると思います。当センターでは入院が決まった時から入院での治療や退院後の状況の予測、患者さんに合わせた療養先の相談、地域にある医療・介護サービスの紹介、また経済的な相談や活用できる制度の紹介を行うなど、入院時から退院を見据えた支援を行い、退院まで見通しを持って入院療養ができ、患者さん・ご家族・スタッフが目標を一致させて、安心して退院できるようにしていきます。
医療の主人公は患者さんです。患者さんやご家族の「こんなふうに暮らし続けたい」という思いを尊重し、一緒に考えていける病院になるよう、当センターはその牽引車となっていきます。
地域の実態をつかみ、東葛病院の機能をフルに発揮して一人一人を大切にする地域包括ケアの実現を
当センターに寄せられた患者さんの声は病院や職員への要望であると考えています。そして、皆さんからの相談ごとは地域の状況が反映する貴重な事例でもあります。
当院が加盟する全日本民医連では経済的・社会的に困難を抱えた患者さんの事例を集積し、医療・介護の諸制度の改善に役立てています。当センターも、あらゆる相談の窓口として、寄せられた声や要望を大切にして東葛病院の医療活動の改善に活かしていくとともに、制度改善につなげていく役割を果たしていきます。
また、東葛病院の特徴を地域に大いにアピールすることにも力を入れ、病院の各種機能や差額室料をいただかないベッドが「地域の財産」として有効に活用されるよう努めます。
地域の状況をしっかりつかみ、友の会の皆さんとも一緒になって、私たちがめざす一人ひとりが大切にされる地域包括ケアの実現を目指していきたいと思います。
患者サポートセンターのスタッフ
子育て応援コラムKids’n Baby’s(きっずんべいび~ず)⑨
インフルエンザが流行する前に
気温も下がり、日増しに秋の気配が感じられる季節となりました。
今年もそろそろインフルエンザの季節がやってきました。
ワクチンの中身が変わります
例年、A型2種類・B型1種類だったものが、今年からA型2種類・B型2種類に変わります。予防効果が期待されますので早めのワクチン接種をお勧めします。
ワクチンは計画的に
出典・厚生労働省ホームページより
まだ接種しなくてもいいかなと思っているうちに流行が始まり、ワクチン接種する前に感染してしまうこともあります。乳幼児のお子さんがいるご家庭では、インフルエンザ以外のワクチンも接種しなければならないのでスケジュール管理が大変だと思います。インフルエンザワクチンは2回接種(13歳未満)です。体調を崩し予定通りに接種出来ないこともあるので、流行が来る前に余裕を持ってスケジュールを立てておくことをお勧めします。
ワクチンはあくまでも予防の1つです。接種したからといって100%発症しないわけではありません。しかし、発症した時には重症化を防ぐことが出来ます。普段からの手洗い・うがい・規則正しい生活を心がけ、ワクチン接種をすることでインフルエンザの流行に備えましょう。
スケジュールに悩んだら
ワクチンスケジュールの立て方にお困りの方は、毎週火・木の乳児健診の時間帯にワクチン相談外来を行っています。お気軽にお寄りください。
小児科看護師椎葉、三宅
歯科コーナー「知っていました?」<隔月掲載>
ドライマウスと口腔トラブル~お口の渇きと正しい対策
東葛歯科 長尾 瞳 歯科衛生士
口の渇きを訴えて来院される患者さんはそれほど多くはありませんが、初診時の問診やちょっとしたお話しの中で、口の渇きが気になっている患者さんは意外に多いことに気づきます。「歯周病のリスク」も高い傾向にあります。
このような患者さんは、症状が重度ではないため、その口の渇きを抑えようと、アメやガム、飲み物などの摂取で「虫歯のリスク」も高まることがあるため、決してよい対応ではありません。
ドライマウスの原因
お口の乾燥を訴えるドライマウスの方は現在800万人とも推定され、潜在的なドライマウス予備軍は3000万人にも及ぶと言われています。
ドライマウスはお薬の副作用や加齢、精神的なストレスなどが原因で、唾液の減少や唾液の質も変化し、乾燥していることで、齲蝕(うしょく)や歯周病、舌の痛みなど様々な口腔トラブルの原因にもなります。
ドライマウスの症状
軽度の場合
- 口のネバつき
- パサつき、食べ物が食べにくい
- 歯垢の増加
- 口臭
重度の場合
- 舌のひび割れ
- 舌の痛みで食事がとれない
- しゃべりづらい
- 強い口臭
このような症状に心当たりがある方は、保湿剤を使用することをおすすめします。東葛歯科でも保湿剤を販売しています。スプレーや塗抹タイプなので外出先などで口の渇きが気になる時にも手軽に使用できます。
住民と共に歩む東葛病院
1万人の健康友の会めざして
私たちも共にがんばりたい
看護総師長 稲垣 洋子
1993年1月、全国の医師、看護師等による医療支援を受け再建運動がすすめられている最中、私は群馬から東葛病院に支援看護師として勤務しました。当時の友の会は「東葛病院の医療を守る会」という名称で活動されており、看護部長さんから「東葛病院は、職員と守る会によって守られている」と説明され、ただごとではない力強さを感じたのを覚えています。
子どもを産み育てる中で、この地域にかかりやすい病院があることの恩恵を実感しました。また、看護師として働く中で「最も困難な方にかかっていただける病院」になることの大切さを学びました。
先日「8・30国会包囲行動」に参加しました。戦争する国にさせないために、友の会のみなさんがいきいきと活動されている姿にとても励まされて帰ってきました。
今、新病院が建設中です。病院管理部では「共同組織(友の会)を拡大できなければ、新病院開設という大事業は破たんする」という認識を共有しています。共同組織拡大のため、ともに頑張ります。
東葛病院のいのちと平和を守る活動
流山社保協・流山市に要請~心の通った対応を
社会保障推進千葉県協議会の23回目の「社会保障の充実を求める自治体要請」流山キャラバンが8月21日、市のケアセンターで開催され、市の当局から18名、社保協から29名が参加しました。介護分野で、負担が2割となり利用者は月6のショートステイやデイケア、訪問看護を減らしている実態を訴え「市は国に介護報酬の引き上げ要求をしないとしているが、深刻な市民の声を聞かないと言っていることだ。血の通った行政を」と迫りました。〈編集部〉
戦争法案を強行成立~戦争法廃止の闘いへ
安倍内閣は9月19日午前2時すぎ、参院本会議で「戦争法案」を強行採決し、成立させました。東葛病院と友の会は、5月から積み重ねてきた国会正門前集会や、8月30日には「国会10万人・全国100万人行動」を呼びかけた総がかり行動を12万人で成功させてきました。この戦争法案は、日本がいつでもどこでも憲法の禁じる集団的自衛権を行使し、戦争を行えるものであり、そもそも「違憲」である法律は、成立しても「違憲」であると考えます。
これから戦争法廃止の闘いが始まります。「強行採決は言語道断」「憲法違反の戦争法は廃止せよ」と私たちは今後も地域から草の根の集会・パレード・宣伝行動を続ける所存です。これまで以上のご協力・ご支援をお願いいたします。
(編集部)
いのちと人権の現場から
いまだに続く公害の病
流山社保協・流山市に要請~心の通った対応を
薬剤部部長 清水 健一
私が生まれ育った町は岐阜県北部に位置し、かつて世界有数の亜鉛と鉛の産出量を誇った鉱山がありました。町名が会社名に由来する企業城下町で、労働者の9割が鉱山に関連した仕事に就いていました。この鉱山の廃液が原因とされる公害が、富山・神通川流域に甚大な被害をもたらしたイタイタイ病(以下、イ病)です。不思議なことに、イ病は地元の人には発症していません。
私のイ病に対する知識は、教科書やマスコミ報道の程度でしかありませんでした。一方、熊本の水俣病は、同じ企業城下町で起きた公害ですが、イ病との決定的な違いは、地元の人が発症しているという点だと考えます。このことが、水俣病という不幸を増幅し、その後の保障問題も複雑にしました。私の地元に限れば、人々が口を閉ざすことで平穏を装ってきたように思えます。
最近になり、海から遠く離れた山間部に水俣病患者が存在することが明らかになりました。かつて魚の行商が売り歩いた地域を民間医師団が調査したところ、住民の4~9割に水俣病特有の症状がみられたと報告されています。
イ病認定患者さんのほとんどはお亡くなりになりましたが、水俣病はいまだ続いています。
一人でも多くの方が救済されるよう願うばかりです。
東葛病院・付属診療所の医療活動(2015年8月分)
付属診療所1日平均外来患者数 | 679人 | ||
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東葛病院 | 1日平均救急・夜間外来患者数 | 50人 | |
1日平均入院患者数 | 289人 | ||
手術件数 | 92件 | ||
主な検査 | 血管造影 | 32件 | |
内視鏡 | 665件 | ||
CT | 1031件 | ||
MRI | 357件 | ||
心電図 | 1018件 | ||
腹部エコー | 447件 | ||
心エコー | 300件 | ||
救急患者数 | 1541件 | ||
内 救急車搬入件数 | 250件 |
掲載日:2015年10月1日/更新日:2024年10月25日