東葛の健康 No.368(2015年3月号)

新東葛病院駅前診療所(仮称)
新病院の隣に診療所開設へ~東葛歯科・薬局も移転

本紙2014年3月号で、病院移転後の外来機能について、内科予約外来は現在の付属診療所に残り、その他の外来は新病院で行うことを検討中である旨、ご報告いたしました。新病院と離れてしまうため、患者さんなどの利便性を検討してきたところ、新病院に近接する4階建てのビル(新築)に移転できることとなりました。この建物には、薬局・東葛歯科・内科予約外来が入ることとなります。改めてご報告させていただきます。

移転する歯科

東葛歯科は現在の人員体制と規模のまま新設のビル4階に移転します。歯科診療台は12台で、そのうち1台は個室とし、手術室としての利用を考えています。

新診療所の面積は今よりも少し狭くなり、患者さんにはやや窮屈な感じをお与えするかもしれませんが、コンパクトにまとめ、患者さんの利用し易い歯科診療所になるよう、スタッフ一同知恵を絞っている所です。

駅前の利便性も考慮し、診療時間帯も工夫する予定です。

移転する薬局

外苑企画ビル1階には新薬局が入ります。現在のわかば薬局よりも待合スペースを広く取ることができ、より機能的な空間になるよう考えております。

待ち時間短縮のため、調剤機器などもさらに新しくして一層のオートメーション化を進め、患者さんにとって安全・安心の薬局作りを目指します。

新病院や同じビルの2階に入る診療所から一番近い薬局にもなりますし、患者様のご期待に応えられるよう真摯に取り組んでいきたいと思っております。

外苑企画ビル予定地

新設する診療所

慢性疾患予約外来の診療所として、2階に新たに開設します。内科系の完全予約制で、8室の診療室と2室の相談スペースを設置します。かかりつけ医として、全身疾患管理をもれなく行い、看護療養指導・栄養指導・服薬指導の強化に努めます。

今以上に質の高い受診しやすい外来医療、を目指します。また待ち時間をより少なくする取り組みも進めてまいります。

これからも、東葛病院や地域医療機関と協力して、きれめなく患者様が安心して住みなれた町ですごせるよう、応援します。

新病院の外来診療

新病院での外来は、1階に救急外来、小児科が入り、感染対策や救急対応の視点で他の外来とフロアを分ける機能としました。

2階は総合診療科のほか、外科や産婦人科などの専門外来・健診センターが入ります。

移転先の流山セントラルパーク駅前「外苑企画ビル」

おわりに

新病院の建設も、つくばエクスプレスの線路を超える高さまで進んでおります。

今回ご紹介した建物につきましても、新病院ともどもよろしくお願いいたします。

子育て応援コラムKids’n Baby’s(きっずんべいび~ず)
こどもの発熱①
突然の発熱その時に
小児科科長・小林嘉代医師

小児科科長・小林嘉代医師

さっきまで元気だったわが子が、突然の発熱!親ならば誰しも心配ですね。一人目のお子さんで小さい赤ちゃんであれば、なおさらです。

そんなときは、まず「1.2.3」と数えて深呼吸し、一旦冷静になりましょう。

そしてお子さんの状態をよく観察してください。日頃からよくお子さんの体調をチェックして、いつもとどんなところが違うのか判断することが大切です。

そもそも、なぜ熱はでるのでしょうか?

発熱で外敵とたたかう

風邪などのウイルスが体の中に入ってくると、私たちの体の中では白血球やマクロファージといった免疫の細胞が働き、入ってきたウイルスを食べるように取り込みます。免疫細胞は、発熱する物質を作り、脳の体温中枢に熱をだすよう指令を出します。

ウイルスは、低い温度の方が繁殖しやすいという性質を持っており、熱を出すことで抑えられます。また、熱により白血球の動きが活発になり、ウイルスを食べる力が増します。つまり、熱をだすことによって、体にとっては有利にウイルスなどの外敵と戦うことができるのです。

ですからお子さんが急に熱をだしてもあわてずに、お子さんの状態を観察し、少し熱がある(37.5~38℃)があやすと笑う。元気があり、いつも通り遊んでいる。すやすや眠っている。おしっこがでていて、水分も摂れていれば、急いで受診しなくてもよく、夜間であれば翌朝まで待って受診しましょう。

すぐに救急受診した方がよい場合は、39℃以上でぐったりしていて、顔色が悪く苦しそう。呼吸がおかしい。無表情で活気がない。けいれんしている。生後3か月未満の乳児の場合です。あくまでも目安ですが、参考にしていただければ幸いです。

判断に迷う時は、小児救急電話相談の#8000、インターネットで「こどもの救急」と検索すると小児科学会のサイトがありますので、ご活用ください。

クスリあ・れ・こ・れ<隔月掲載>

入院時の持参薬 薬剤師 熊川 拓也

入院時の大切な情報源

皆さんは入院経験がありますか?あるという方は入院時に医療スタッフから「定期的に飲んでいるお薬は持ってきていますか」と聞かれたことがあるかもしれません。これが「持参薬」というものです。

この持参薬は患者さんの服用状況、管理状況を知るだけではなく、持ってきた薬の分は使えるため、医療費削減にも繋がります。

「お薬手帳」もご持参を

持参薬を使う流れとしては薬剤師が預かり、薬の名称、用法用量、何日分持ってきているのかをチェックします。そしてその中で使う薬を医師が選択し処方箋を出しそれを薬剤師が調剤します。

そのため「お薬手帳」や、お薬の説明書きがなければ正確な情報がわからない時があるので、お薬を持参する際はそのような情報源も持参していただければ幸いです。

薬の整頓

持参薬をチェックしている時に錠剤がむき出し、数年前のお薬、一包化(小さな袋に錠剤を複数入れている状態)の袋に穴が開いているものを見かける時があります。

これらが「食品」だったら皆さんは口にしたいと思いますか。お薬も同じです。

お薬は飲むときに出し、古いお薬は新しいお薬に変えて、一包化されているお薬はきれいに管理しましょう。

最後に、持参薬を預かった際に袋の中に針や不要物が入っている時があります。怪我や不衛生の原因となるのでお薬のみを袋に入れてお預けください。

シリーズけんさ100【病理検査②】

検査課 拜原 直樹 臨床検査技師

今回は組織標本作製から診断までの流れを説明します。

組織検査は以下の様な工程を経て組織診断を行います。標本作製には通常2~3日程度かかります。

1.生検・手術材料での組織採取
 患者さんから内視鏡などで採取(生検)した少量の組織や、あるいは手術で摘出された臓器。

2.ホルマリン固定
 採取した組織材料は速やかにホルマリンの薬液に漬けます。
ホルマリン液による蛋白質の凝固作用により固定された組織は、良好に組織構造が保たれます。
採取された組織の大きさによって固定する時間が変わります。

3.組織の切り出し
 病変の位置やその広がりなどを考慮しつつ標本にする箇所を選んでいきます。

4.パラフィン包(ほう)埋(まい)
 パラフィンというロウの一種に組織を埋めます。

パラフィンブロック

5.薄(はく)切(せつ)
 パラフィン包埋した組織をミクロトームという専用の機械で、3~4マイクロメートル(1000分の3~1000分の4mm)にスライス(薄切)し、ガラスに貼り付けます。

ミクロトーム

6.染色
 一般的にはヘマトキシリン・エオシン染色という染色を行います。
また、必要に応じて特殊な染色を追加で行います。

7.鏡検
 出来上がった標本の仕上がりをチェックします。

鏡検

8.診断
 顕微鏡で観察し、腫瘍かそうでないか…良性か悪性か…もし悪性であれば、病変の大きさ・広がり具合や
病変の進行度の決定等、最終的診断を行ないます。

東葛病院・付属診療所の医療活動(2015年1月分)
付属診療所1日平均外来患者数 766人
東葛病院 1日平均救急・夜間外来患者数 90人
1日平均入院患者数 294人
手術件数 97件
主な検査 血管造影 20件
内視鏡 1136件
CT 995件
MRI 288件
心電図 829件
腹部エコー 417件
心エコー 313件
救急患者数 2782件
内 救急車搬入件数 329件

掲載日:2015年3月1日/更新日:2024年10月25日

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