東葛の健康 No.358(2014年5月号)
- 東葛病院の医療【東葛歯科】
- 新病院を担う35人の新鋭が入職
- 歯科コーナー「知っていました?」<隔月掲載>
- シリーズけんさ91【脳波検査②】
- 病棟へのお見舞い お知らせとご注意
- 共同組織(友の会)1万人をめざして
- 東葛病院・付属診療所の医療活動(2014年3月分)
東葛病院の医療【東葛歯科】
医科と歯科の連携が大切〜患者様中心の質の高い医療を目指して
「医療や介護の分野で、医科と歯科が連携することの大切さが近年盛んに言われるようになってきています。その状況について、東葛歯科の取り組みも含めご紹介します。
東葛歯科・所長
歯科医師 堀内 悟
東葛病院での今までの連携
これまでも東葛歯科では、東葛病院や付属診療所からの紹介で睡眠時無呼吸症候群の歯科的な治療や、入院中の患者様の歯科治療などを行ってきました。近頃は入院患者様で栄養状態の管理が特に必要な方を、多職種で支援する栄養サポートチーム(NST)に歯科も参加しています。NSTの対象患者様以外の入院患者様にも、お口の診査をし、治療の勧告や衛生指導を行う取り組みをしています。在宅医療の分野では、食べ物を飲み込む状態の評価などで連携が進みつつあります。
これからの医科との連携
入院患者様のお口をケアする歯科衛生士
今年4月の診療報酬改定に際して厚労省は、がんなどの手術を受ける患者様を対象に、手術前後の患者様のお口のケアに歯科が連携して取り組むことを促しています。これは歯科の病気でなくても、歯科が積極的に介入しお口の衛生管理の徹底を図ることで、肺炎などの術後合併症の予防に貢献し、術後の医療が円滑に進み、患者様の早期回復に寄与することが期待されているからです。
今後東葛病院でも、医科と歯科のお互いの専門性を活かした連携を行うことで、患者様中心の質の高い医療を提供していきたいと考えています。
やはり日頃からの歯科管理が重要
手術に際してあわててお口の管理に着手するというようなことがないのが理想です。また近年、歯周病が全身の健康状態に影響を与えることがわかってきました。
こんな調査結果もあちこちで報告されています。それは、残っている歯の数が多い人は、少ない人に比べて医療費が少なくて済むというものです。転ばぬ先の杖、お口の健康管理をしっかり行っていきましょう。
平成17年香川県での調査 残っている歯の数と月平均医療費(対象65歳以上の11000人)
出典:香川県医療費適正化計画
新病院を担う35人の新鋭が入職
研修医4人(歯科を含む)、助産師・看護師13人、薬剤師1人、理学・作業・言語療法士6人、放射線技師2人など今年も35人の新入職員が入職しました。4月3日から始まった東葛病院の研修では、研修二日目に、近隣の公共施設や医療機関への見学と先輩職員・友の会の皆さんの協力で地域訪問活動にも出かけました。「地域の人がこんなにも東葛病院を考えてくれている。感激した」や「笑顔で応対してくれた。ここでの仕事に自信がついた」などちょっと気の早い感想も聞かれました。
歯科コーナー「知っていました?」<隔月掲載>
上顎洞底挙上術併用インプラント手術の導入 上顎(あご)奥歯のインプラント治療
東葛歯科 歯科医師
笹本 祐馬
従来までは上顎の奥歯が抜けた後のインプラント治療は、一般的に難しいとされてきました。その理由として一つが上顎骨が下顎骨に比べ、軟らかいためです。骨が軟らかいという事はインプラントの固定を得る上では不利な条件なのです。もう一つは、上顎洞(副鼻腔)という空洞が存在するためです。約80%の方は上顎骨の厚みが足りなく、必要な長さのインプラントの埋入手術が出来ないのです。
この問題を解決するために「上顎洞底挙上術(ソケットリフト)」という技術が必要で、当院ではこの技術を導入致しました。ソケットリフトとは、インプラントを埋入する穴から人工骨を押し入れて、上顎骨の厚みを得る手術です。骨の厚みは手術前にCT検査をして正確に測定しています。適応症は最低でも上顎骨の厚さが5㎜以上ある方です。また、5㎜以下の方ではソケットリフト手術でも対応できないため、より大きい骨の移植手術が必要になります。上顎の奥歯でインプラント希望の方は、担当の歯科医師に相談してみて下さい。
シリーズけんさ91【脳波検査②】
今回は実際の検査の様子をお話しします。
まず、頭に電極というものを付けていきます。脳は硬膜や頭蓋骨といった硬い膜や骨で覆われているので、脳が出した電位はこれらの障害物で小さくなります。その為、検査時は皮膚をアルコール綿で拭いて、電気の通りをよくするクリームをつけて耳・おでこ・頭部に20数個の電極を取り付けます。ここまでの作業で15分程時間が掛かります。検査当日は髪に整髪料をつけないようにお願いしています。
乳幼児は、じっとしていられず電極を付けるのが困難なので睡眠導入剤を飲んで睡眠してもらい、それから電極を取り付け始めます。
年長さん辺りになると、眠る前から電極を付けることができるようになり、覚醒時の記録も取れる様になります。小学生くらいで慣れてくると、薬なしでも記録できるようになります。前日は寝るのを遅くして眠たい状態で検査を受けると良いですね。
お腹が空いて低血糖になると、脳波にも影響が出る場合もありますので食事は抜かないで下さい。また、検査時間は1時間程かかりますので、トイレは必ず済ませておいてください。
次回は記録をしているときのお話です。
病棟へのお見舞い お知らせとご注意
感染管理認定看護師 小池 美穂
病院入口で面会制限
長い冬が終わり、急ぎ足で春がやってきました。ノロウイルスやインフルエンザなど冬に流行する感染症も一段落と思いきや、今年のインフルエンザはしつこいようで、もう5月だというのにちらほら罹ってしまったという報告があります。
インフルエンザなど、世間で流行しているウイルスは、職員や面会者を通して院内へ持ち込まれるリスクが高いため、感染対策のひとつとして面会制限を実施することがあります。当院でもインフルエンザの流行に合わせてこの対策を行いました。ご協力いただき感謝申し上げます。
入院患者様は免疫力が下がっている方が多く、健常な方なら治ってしまう感染症が命取りになることがあります。インフルエンザだけでなく、麻しんや風疹などあらゆる感染症から入院患者様を守るために、引き続き下記のことについてご協力をお願いいたします。
- 1 面会前後に手の消毒をお願いいたします。
- 2 体調がすぐれない方は面会禁止です。
- 3 生花は、免疫力が低下している方にとっては感染源となることがあります。持ち込みはご遠慮ください。
- 4 食物の持ち込みは食中毒予防の観点、また治療の妨げとなる場合もあることから、できるだけお控えください。
- 5 面会時間をお守りください。平日、休日ともに15時〜20時です。
共同組織(友の会)1万人をめざして
東葛健康友の会会員ふやし、昨年度1068人の入会者に御礼
組織部 金澤 修
2013年度、私たちの共同組織、東葛健康友の会は1068人の入会者を迎えました。新病院オープンに向け、職員、友の会関係者一同、大きな元気と勇気を頂きました。ご入会頂いたみなさん、この取組みに参加していただいたみなさんに、心からの感謝とお礼を申し上げます。
東葛健康友の会は、現在、約8000人の会員さんに支えられ、大きな地域住民の会に発展しています。友の会とともに歩む東葛病院も、病院建設決定以降、地域の皆さんからは大きな期待と激励の声をたくさんいただきました。信頼され、愛される病院を目指し、地域の健康づくり、安心して暮らし続けられるまちづくにこれまで以上に取り組んでいく所存です。
東葛病院の方針である「いのちの平等」という医療介護活動の実践にご賛同いただき、たくさんの資金協力もいただいています。心から感謝し、重ねてご支援ご協力をお願いいたします。
私たち職員は、新東葛病院のオープンを、1万人の友の会会員の皆さんと迎えたいと考えます。1万人の友の会会員とともに、いつでもどこでも誰もが安心してかかれる医療介護を実現する実践に奮闘する決意です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
友の会の菜の花散歩
東葛病院・付属診療所の医療活動(2014年3月分)
付属診療所1日平均外来患者数 | 730人 | ||
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東葛病院 | 1日平均救急・夜間外来患者数 | 61人 | |
1日平均入院患者数 | 290人 | ||
手術件数 | 125件 | ||
主な検査 | 血管造影 | 29件 | |
内視鏡 | 467件 | ||
CT | 851件 | ||
MRI | 294件 | ||
心電図 | 958件 | ||
腹部エコー | 417件 | ||
心エコー | 230件 | ||
救急患者数 | 1885件 | ||
内 救急車搬入件数 | 237件 |
掲載日:2014年5月1日/更新日:2024年10月25日