東葛の健康 No.367(2015年2月号)
- 東葛病院の医療【救急・内科】
- 次号より「子育て応援コーナー」が始まります
- 歯科コーナー「知っていました?」<隔月掲載>
- 看護師・助産師大募集
- シリーズけんさ99【病理検査①】
- 第8回労働・生活・健康なんでも相談会
- 毎月まちかど相談
- 東葛病院・付属診療所の医療活動(2014年12月分)
東葛病院の医療【救急・内科】
目標に向かって邁進中~東葛病院の若い力
東葛病院の若い医師集団が元気です。今月号は、3年~4年目の西岡医師・唐川医師が登場し、各々この間の「アメリカER研修」・「福島わたり病院支援」を報告します。両医師とも目標に向かって「研鑽」「邁進」中。姿を見ましたらどうぞお声をかけてください。
アメリカのERで研修して
西岡 大輔 医師
Emergency Room(ER)は、風邪などの軽症な患者さんから、命に関わる重症な患者さんまで、多くの方が入り混じる救急外来です。この度、縁あって、上司の知人が勤務しているニューメキシコ大学救急部へ留学研修する機会をいただきました。
アメリカの医療は単純で、救急車で病院に向かおうと、医師が軽症だと判断すれば待合室で待たされます。朝から来院しても重症な患者さんが他にいれば夕方にようやく受診できるということも。日本との医療の違いに驚きつつも、多くのことを学ぶことができました。銃による外傷など、日本で経験し難いケースを学ぶなど、貴重な経験をするとともに、自身の英語の力を培うことができたのは非常に大きな収穫でした。東葛病院で研修すれば、アメリカの救急医には負けないと感じることさえできた充実した2週間でした。
これからもさらなる研鑽を積み、自身の目標に邁進する2015年になりそうです。
1889年創立のニューメキシコ大学前で
福島・医療生協わたり病院支援
唐川 真良 医師
東葛病院総合内科後期研修医2年目、医師になって4年目の唐川真良です。2年間の「初期研修」を東葛病院で学び、更なる研鑽も東葛でと、現在、総合内科医として奮闘の日々です。
昨年11月から12月までの5週間、福島の医療生協わたり病院に内科医師支援を行いました。わたり病院は震災以後、医師2人の退職で、病棟担当医や初期研修医の指導医不足に直面していました。今回は主に内科病棟業務、内科一般外来や救急外来での初期対応などを支援しました。不安もありましたが、現地の先生方やスタッフの援助もあり、無事に任務を全うできました。
わたり病院と東葛病院は、若い医師を温かく育てる文化があり、研修医が一歩一歩がんばる姿が印象的です。これから後輩に支援の声がかかるときは、自信を持って、「がんばってこいよ」と言えると思います。ありがとうございました。
福島の医療生協わたり病院全景
乞うご期待!次号より「子育て応援コーナー」が始まります
東葛病院と東葛健康友の会は、子育て世代を応援します。私たちは「こども冬まつり」や「夏まつり」、東葛病院で生まれた赤ちゃんの「赤ちゃん同窓会」、子どもの笑顔があふれた「東葛健康まつり」、親御さんへの「健康講座」、「小児科医に学ぶ連続講座」など多彩な取り組みを実施しています。
また、福島第一原発事故後、放射性汚染物質を不安視する地域の声に応えた「甲状腺エコー検診」や生活困窮世帯の医療費を減免する「無料低額診療事業」を実施し、流山市が掲げる「母になるなら流山」というスローガンを充実させるためにも、安心して子どもを産み育てられ、健やかに成長できる地域づくりをめざします。
次号より新コーナーで子育て企画(タイトル募集中!)が始まります。当院の小児科チームや産婦人科チーム、院内保育所などがリレー形式で、子どもの健康のことや子育て応援企画などをご紹介する予定です。どうぞご期待ください。
(「東葛の健康」編集委員会)
昨年、4月25日におおたかの森駅近くの十太夫福祉会館で行った
第1回健康講座「小児科医から学ぶ、子どものアレルギー」、
写真は小児科科長・小林嘉代医師。
歯科コーナー「知っていました?」<隔月掲載>
誤嚥性肺炎と嚥下検査について~飲み込みに異変を感じたら検査を
肺炎予防の新制度
東葛歯科 野本 昌良 歯科医師
平成26年10月1日から肺炎予防の新制度が始まりました。
①肺炎が日本人の死因の第3位
②肺炎での死亡者の約96%が65歳以上
③高齢になると病状が重篤しやすいからです。
肺炎予防には、毎日の感染予防・免疫力を高める・予防接種を受けるなどがあり、毎日の感染予防の中に、〝歯磨きなどで口腔内を清潔にする〟〝誤嚥を防ぐ〟があります。口腔内を清潔にする口腔ケアは、前回の歯科コーナーを参照してください。今回は誤嚥について。誤嚥はむせる誤嚥とむせない誤嚥があります。誰でも誤嚥する可能性があり特に高齢者、認知症、脳血管障害の人は、誤嚥性肺炎を引き起こし易いのです。
嚥下検査
誤嚥は嚥下検査で見つけます。X線を利用した嚥下造影検査(VF)と内視鏡で直接喉をみる嚥下内視鏡検査(VE)があって、食形態・姿勢など改善します。東葛歯科は、内科医とリハビリ室の言語療法士(ST)と連携しています。
検査は病院で
歯科では嚥下検査の受付はしていませんが、毎週月曜日の午後に病院で検査をしています。水分や食べ物でむせたり、食事時間が長くなったり、なかなか飲み込まなくなったりしたら、もしかしたら嚥下障害かもしれません。一度検査をしてみてはいかがでしょう。
嚥下造影検査(VF)の様子
嚥下内視鏡検査(VE)の様子
看護師・助産師大募集
「研修の充実」が当院の魅力です
東葛病院5階西(外科)病棟で主任をしています。看護部では「患者の願いから出発する看護計画立案」に取り組んでいます。初期研修をはじめ、患者さんの背景を捉える研修がプログラムされており、東葛病院の看護の魅力の一つです。また、一人の患者さんに複数の専門職が連携して、治療やケアに当たるチーム連携が充実しており在宅調整や患者指導、合同カンファレンスなど在宅生活を見据えた看護ができます。患者さんを笑顔にできる「患者に寄り添う看護」を一緒にしませんか?
シリーズけんさ99【病理検査①】
検査課 拜原 直樹 臨床検査技師
観察する臨床検査技師
病理(びょうり)ってなに?
患者さんが病院に来院されると、適切な治療のために適切な診断が必要になります。「病理診断」は最終診断として大きな役割を果たします。
組織や細胞の採取
病気(疾患)の診断や原因(病因)の究明を目的として、患者さんの体から手術や検査によって採取された病変の組織や細胞が病理検査の対象です。
標本の作製
採取された組織や細胞に様々な処理を行ってガラスに貼り付け、染色(特殊な色素で色をつける)を施し組織標本を作製します。
診断
この標本を顕微鏡で観察して診断するのが病理診断です。そして、この病理診断は専門の医師(病理医)が行います。
病理診断の種類
病理診断には次のようなものがあります。
①内視鏡検査や手術などで摘出された臓器・組織の診断を行う組織診断。
②喀痰や尿などの細胞をガラスに付着させた細胞を顕微鏡下で診断する細胞診断。
③お亡くなりになった患者さんの死因、合併症、治療効果の究明を目的に解剖をする病理解剖診断。しかし、病変の種類や目的によっては電子顕微鏡診断(電子顕微鏡を用いた超微細構造観察)、免疫染色や遺伝子検査などの特殊検査が必要なこともあります。
次回は組織診断、細胞診断、病理解剖診断について紹介します。
胃の病変の組織
第8回労働・生活・健康なんでも相談会
寄せられる切実な相談JR柏駅前~若い世代の生活困難事例も
相談者に対応する大野副院長と山入端医師
12月24日、柏駅東口ダブルデッキで行われた第8回なんでも相談会は、大野義一朗実行委員長の「格差社会の中で働く人たちの権利を守ろう」の声でスタートしました。今回は27団体、70名を超えるボランティア。東葛病院からは実行委員長の大野副院長を初め山入端、藤本両研修医、斉藤さつき看護師、大平介護部長、相談室・趙、山口両相談員、医学生室など12名が参加しました。賃貸の土地契約や法律相談には、第二会場に待機している弁護士、司法書士が相談にあたりました。
医療相談では生まれて初めて血圧を測った、という人が230/107で病院受診を勧めるが、頑として拒否する一幕も…。案内係りを担当した新井組織部長は「30歳代、40歳代の派遣労働者は精神的に疲弊している人が多かった」と感想を語っていました。昨年に比べ相談者は多く、14時までの4時間で46件の相談が寄せられました。
大野実行委員長は、「東葛6市全てが市の広報で告知し、6市全てから相談者が来られた。若い世代の生活困難事例が顕著で問題が複雑に絡み合っている印象。まだまだ我々がやることは多い」と話してくれました。
(編集委員会 山縣 良一)
毎月まちかど相談
昨年7月に始めた月1回のまちかど健康相談会ですが、昨年は7回開催しました。10月は市民まつり、11月は土建まつりへも参加しました。のべ43人の職員を動員し、地域の方234人と対話をしました。寒くなり足を止めてお話ししてくださる方が少ないのですが、マミーマート流山セントラルパーク前にて第4土曜日定例で開催しますので気軽に声をかけてください。
マミーマート前で定例開催中
東葛病院・付属診療所の医療活動(2014年12月分)
付属診療所1日平均外来患者数 | 836人 | ||
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東葛病院 | 1日平均救急・夜間外来患者数 | 93人 | |
1日平均入院患者数 | 289人 | ||
手術件数 | 93件 | ||
主な検査 | 血管造影 | 31件 | |
内視鏡 | 567件 | ||
CT | 993件 | ||
MRI | 317件 | ||
心電図 | 911件 | ||
腹部エコー | 400件 | ||
心エコー | 272件 | ||
救急患者数 | 2872件 | ||
内 救急車搬入件数 | 317件 |
掲載日:2015年2月1日/更新日:2024年10月25日