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目 次

東葛病院臨床検査専門研修プログラム

3.専攻医の到達目標(修得すべき知識・技能・態度など)

以下の4つについてそれぞれ研修すべき内容(専攻医研修実績記録を参照)が定められています。みなさんは、研修したことを専攻医研修実績記録に記載していただきますが、研修の実際を確かなものにするために、それぞれを研修したレポート、報告書などを研修修了後に提出することになります。ここではその具体的な内容と数量を示します。

1) 経験すべき臨床検査

臨床検査専門研修カリキュラム(別に示します)に示す検査項目につき、検査別に定めてある要求レベル(実施できる、解釈・判定できる、説明できる)に応じた研修を行ってもらいます。研修したことを証明するために検査項目ごとに、A4サイズ1枚程度の自己レポートを作成してください。レポート内容は原則として、① 異常検査成績の内容、② 臨床診断、③ 異常検査成績となる要因のコメント、④ 関連検査の成績、追加検査の推奨、⑤内部精度管理記録を含むこととします。以下に基本検査部門ごとの経験目標を必要自己レポート数として示します。

  • (1)臨床検査医学総論:外部精度管理(日本医師会、日本臨床衛生検査技師会、CAPなどが実施)の成績(3回以上)。
  • (2)一般臨床検査学・臨床化学:内部精度管理(10項目以上について。各項目は1回以上)。パニック値を含めた異常値症例(10項目以上について。各項目は3回以上)。
  • (3)臨床血液学:内部精度管理(5項目以上について。各項目は1回以上)。パニック値を含めた異常値症例(5項目以上について。各項目は3回以上)。病的末梢血液像、病的骨髄像についてはあわせて10例以上。
  • (4)臨床微生物学:一般細菌培養(グラム染色所見を含む)により起因菌同定と薬剤感受性試験が行われた症例(10例以上)。抗酸菌培養、抗酸菌塗抹検査が行われた症例(3例以上)。
  • (5)臨床免疫学・輸血学:内部精度管理(5項目以上について。各項目は1回以上)。パニック値を含めた異常値症例(5項目以上について。各項目は3回以上)。血液型判定(変異型も含む)、クロスマッチ、不規則抗体検査が行われた症例(3例以上)。
  • (6)遺伝子関連検査学:血液造血器腫瘍、悪性腫瘍、薬物代謝に関連した遺伝子、または遺伝性疾患の遺伝子診断が行われた症例(2例以上)。
  • (7)臨床生理学:超音波検査(5例以上)、心電図検査(5例以上)、呼吸機能検査(2例以上)、神経・筋関連検査(2例以上)。超音波検査は実施したものとする。
2)報告書の作成とコンサルテーションへの対応
  • (1)指導医の指導のもと、臨床検査の報告書(病的尿沈渣、アイソザイム、病的末梢血液像、骨髄像、感染症法対象病原体検出、多剤耐性菌検出、不規則抗体検出、免疫電気泳動、遺伝子診断、超音波診断、など)を作成してもらいます。勿論これらは診療の一環です。各基本科目を最低1通含み計36通以上が必要です。
  • (2)栄養サポートチーム、院内感染対策、輸血療法委員会など、施設内のチーム医療活動に検査部門医師として参加した場合はその記録を保管してください。その実績は上記(1)での報告書に置き換えることができます。
  • (3)施設内各種医療職、外部ネットワークなどからのコンサルテーションに対応した場合は、その記録を保管してください。これらの実績も上記(1)での関連する基本部門の報告書に置き換えることができます。
3)検査データカンファランス(RCPC:reversed clinico-pathological conference)

検査データから病態を解析するRCPC(reversed clinico-pathological conference)は、臨床検査専門医の能力を最大限活用するものであり、どの分野の研修を行っていても、常にその能力を磨くべきものです。施設で行われているRCPCカンファレンスに定期的に参加し、研修終了後には指導者としてRCPCを実施できるレベルを目指すことになります。3年間で9回(自施設例によるものを最低3例含める)受講し、記録を保存してください。

4)地域医療の経験

千葉県または隣県で行われる、臨床検査の品質を維持向上させることを目的とした以下のような事業や支援を経験することが必要です。あわせて5回以上経験し、記録を保存してください。

  • (1)千葉県または臨床衛生検査技師会千葉支部が実施している臨床検査外部精度管理事業に指導医とともに参加することが必要です。
  • (2)千葉県または隣県の医療機関で、臨床検査専門医が不在で臨床検査の指導を必要としている施設において、指導医が指導する際に立ち会い、地域支援のあり方と実際を研修することになります。
  • (3)地域内において種々団体が開催する臨床検査の啓発事業に積極的に参加し、協力してください。
5)カリキュラム制の研修

到達目標はプログラム制と原則同じです。ただし、他基本領域の研修で獲得した能力や経験を考慮し、研修開始前に指導医と相談の上で、すでに履修済のものは省略し、到達目標達成に費やす時間を短縮して臨んでください。

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