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目 次

東葛病院臨床検査専門研修プログラム

2.臨床検査専門研修はどのようにおこなわれるのか

1)研修段階の定義

臨床検査専門医は初期臨床研修終了後、3年間の専門研修で育成されます。なお、このプログラムは原則、初期研修修了後の3年間のストレート専門研修を想定していますが、事情により、例えば週2日の研修を5年などのオプションを用意することも可能ですので、詳細は相談ください。

  • (1)初期臨床研修中に選択必修あるいは自由選択により臨床検査を研修することはできますが、これを専門研修の一部に充てることはできません。
  • (2)専門研修の3年間は、それぞれ医師に求められる基本的診療能力・態度(コアコンピテンシー)と日本臨床検査医学会が定める「臨床検査専門研修カリキュラム」(別添)にもとづいて臨床検査専門医に求められる知識・技能の修得目標を設定し、基本科目修了の終わりに達成度を評価します。具体的な評価方法は後の項目で示します。
  • (3)臨床検査の基本科目とそのおおまかな研修期間は以下の通りです。原則として基本検査科目ごとに独立し集中して研修し、ローテーションすることになります。その順序は原則自由ですが、超音波診断医としての業務が想定されることが多いため、臨床生理学の研修を優先させることを奨励しています。

    • ①臨床検査医学総論:2~4ヶ月
    • ②一般臨床検査学・臨床化学:4~6ヶ月
    • ③臨床血液学:4~7ヶ月
    • ④臨床微生物学:4~7ヶ月
    • ⑤臨床免疫学・輸血学:2~4ヶ月
    • ⑥遺伝子関連検査学:1~2ヶ月
    • ⑦臨床生理学:2~6ヶ月
  • (4)各年の習熟目標としては、検査報告書の作成を例にすると、1年目は指導医の点検を必要とするレベルから、2、3年目には指導医の点検を必要としないレベルを目指します。後に述べるRCPCは全期間を通して行います。また研究などの学術的活動も1年目終了後に随時行うことができます。
  • (5)各基本科目の施設内での研修は以下のように行います。

    • ①病院検査部門で臨床検査技師の助力のもとに各種検査を実施(経験するレベル)、見学する。
    • ②病院検査部門で指導医の指導のもとで各種検査の結果を判定し、報告書発行が業務となっている場合は報告書を作成する。
    • ③病院検査部門で指導医の指導のもとで各種コンサルテーションに応え、記録を作成する。
    • ④指導医による講義により検査に関連する知識を得る。
    • ⑤検査部門または臨床科のカンファレンスに参加して学習する。
    • ⑥指導医と上級臨床検査技師の監督のもとに臨床検査技師実習学生の教育を実践することにより学習する。
    • ⑦臨床検査法提要(金原出版)、標準臨床検査医学(医学書院)、異常値の出るメカニズム(医学書院)などの教材や施設内教材を用い、自己学習により学習する。
  • (6)施設外では3年間のうちに以下のことを研修します。e-learningによる研修も可とします。

    • ①日本臨床検査医学会または日本臨床検査専門医会が主催する講習会・セミナーで研修委員会が専攻医の学習用に認定したものに計10単位以上(原則1時間あたり、1単位)聴講・参加し、出席記録を残す。
    • ②医療安全、感染対策、医療倫理については、上記学会または研修施設が主催する講習会を受講する。各1回以上講習を受け、出席記録を残す。
    • ③指導法、評価法は日本臨床検査医学会ならびに日本臨床検査専門医会、または所属施設が主催する指導者用講習会で研修する。
2)週間、年間の研修計画

専攻医の1週間の過ごし方の例を示します。ここでは臨床生理学(特に超音波検査)の研修を優先させる場合について記載します。

★超音波検査集中研修時

 
午前 指導医による指導・自己学習 超音波検査研修 指導医による指導・自己学習 超音波検査研修 指導医による指導・自己学習    
午後 超音波検査研修 超音波検査研修 超音波検査研修 超音波検査研修 超音波検査研修    
夕方 臨床科カンファランス 臨床検査科カンファランス 臨床検査科勉強会 研究カンファランス 自己学習またはRCPC    
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★超音波検査研修修了後

 
午前 指導医による指導・自己学習 超音波検査研修・業務 指導医による指導・自己学習 超音波検査研修・業務 指導医による指導・自己学習    
午後 検査室研修・検体検査診断業務 検査室研修・検体検査診断業務 検査室研修・検体検査診断業務 検査室研修・検体検査診断業務 検査室研修・検体検査診断業務    
夕方 臨床科カンファランス 臨床検査科カンファランス 臨床検査科勉強会 研究カンファランス 自己学習またはRCPC    
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  • ◇「指導医による指導・自己学習」は検査室以外の場所(医局、研究室など9での研修です。指導医や上級検査技師によるミニ講義、過去の検査報告書・教材の自己学習、研修レポートの作成などを行います。
  • ◇超音波検査業務を行うために超音波検査の研修を最初に行うよう奨励しています。
  • ◇「検査室研修・検体検査診断業務」は、検査室における研修で、検査の実施、見学、判定、報告書作成などを行います。研修が修了している検体検査科目は診断業務を行います。例えば、血液検査の研修が修了していれば骨髄像検査の報告書作成を行います。
  • ◇カンファランスでの学習は後にも述べますが、臨床科カンファランスは、主に内科が主催する症例検討会に参加します。臨床検査科カンファランスは検査室スタッフの会議であり、検査室の管理や諸問題に対処します。臨床検査科勉強会は臨床検査に関連した文献を学習します。研究カンファランスは講座(部局)で進行中の研究について討議します。
  • ◇ここに示したスケジュールは全てのコマを研修関連事項で埋めてありますが、研究活動、研修会への参加、外部医療機関での勤務などの必要性が生じた場合は、指導医との話し合いにより随時調整することになります。東葛病院では報酬の伴う外勤は原則として認めていません。

研修プログラムに関連した年度スケジュールを示します。

全体行事予定
・  専攻医研修開始。研修医および指導医に各種資料の配布。
・  修了者:専門医認定審査書類を日本臨床検査医学会専門医委員会へ提出(受付期間要確認)
・  日本臨床検査専門医会春季大会に出席(開催時期は要確認)
・  日本臨床検査医学会支部会に出席(開催時期は要確認)
・  日本臨床検査医学会年次集会演題応募締め切り(詳細は要確認)
・  修了者:専門医認定審査(筆記試験、実技試験)
10 ・  日本臨床検査医学会支部会に出席(開催時期は要確認)
11 ・  日本臨床検査医学会年次集会に出席・発表
12 ・  プログラム管理委員会開催
基本科目修了時 ・  指導医:評価表の作成、提出(専攻医へフィードバック)
・  専攻医:専攻医研修実績記録の作成、提出用紙の作成
プログラム修了時 ・  専攻医:研修実績、各種証明書の提出
・  プログラム統括責任者:修了の判定
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3)カリキュラム制の研修計画

カリキュラム制の場合は、次に述べる到達目標に達したことを認定された場合に資格認定試験を受験することになります。研修期間は3年またはそれ以上とし、到達目標を達成できるような週間、年間スケジュールを指導医と相談の上、業務との兼ね合いで設定することになります。

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