東葛病院臨床検査専門研修プログラム
7.施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方
1)施設群による研修
本研修プログラムでは東葛病院臨床検査科を基幹施設とし、連携施設である東京大学医学部付属病院、慶応義塾大学医学部臨床検査医学講座、東海大学医学部付属病院、病体生理研究所とともに専門研修施設群を構成します。専攻医はこの施設群をローテートすることにより、多彩で欠落のない充実した研修を行うことが可能となります。
これは専攻医が専門医取得に必要な経験を積むことに大変有効です。大学病院本院のような大病院の研修では、東葛病院の研修では学べない分野を経験するのみでなく、指導医の専門性によって教育の重み付けが変わってきます。この点では、別の専門性を持った指導医によって違った面からの考え方を学ぶことができます。
また、登録衛生検査所(検査センター)である病体生理研究所での経験は、自施設で検査ができないクリニック等の検査ニーズを体験的に学習する機会となり、本プログラムの特徴のひとつといえます。
また、医師としての基礎となる課題探索能力や課題解決能力は一つ一つの検査結果や症例について深く考え、広く論文収集を行い、症例報告や論文としてまとめることで身について行きます。
このことは多くの症例を詳細に解析することと臨床研究のプロセスに触れることで養われます。このような理由から施設群で研修を行うことが大切です。東葛病院臨床検査専門医研修プログラムでは以上の点に留意して、研修施設が協力して指導にあたります。
施設群における研修の順序、期間等については、専攻医を中心に考え、個々の専攻医の希望と研修進捗状況、各病院の状況、地域の指導体制を勘案して、東葛病院臨床検査専門研修プログラム管理委員会が企画します。
2)地域医療・地域連携への対応
地域の臨床検査の品質維持に貢献するため、以下の作業を行うことで、地域の臨床検査のレベルを向上させて地域医療に貢献するとともに、一人でもやりきる力を身に付けることができます。
- (1)千葉県または臨床衛生検査技師会千葉支部が実施している臨床検査外部精度管理事業に参加する。
- (2)千葉県または隣県の医療機関で、臨床検査専門医が不在で臨床検査の指導を必要としている施設において、指導医とともに臨床検査の指導にあたる。
- (3)地域内において種々団体が開催する臨床検査の啓発事業に積極的に参加し、協力する。