診療内容
エイズ治療拠点病院とは
各都道府県はエイズ治療拠点病院を2か所以上設置する努力義務があり、千葉県には東葛病院を含め10病院があります。東葛病院は2010年5月に拠点病院となりました。2011年度は15名の新規の患者さんが受診なさいました。重症患者に高度な医療を行うこと、総合的な医療を提供すること、また日進月歩で治療・診療方法が進歩しているため、それらの情報の収集及び地域の医療機関への情報提供・教育を行うことが求められています。
HIV感染症/エイズについて
HIV感染症/エイズの診療は大きく変わりました。かつては「死にいたる病気」として捉えられていましたが、現在は抗HIV薬の進歩で「コントロール可能な慢性感染症」となりました。他の慢性疾患と同じように、薬の副作用に注意し、生活習慣病の管理を行い、癌の予防、早期発見を行うなどの管理が中心となります。ただし、残念にもHIV感染に気付かず、免疫力が低下してエイズを発症し入院治療が必要となる患者さんもいます。
HIV感染症/エイズの診療で大切な事は、正確な知識、最新の情報に基づいた治療を患者さんと医療者が十分に話し合いながら理解を深め進めていく事です。 HIV感染症/エイズ診療は決して特殊な分野ではなく、東葛病院では「地域医療」の一つとして全職員で取り組んでいます。
医療制度について
HIV感染症は、抗HIV療法で大きな進歩ととげた半面、高額な医療費がかかることも事実です。しかし、身体障害者手帳や自立支援医療の申請を行うことで医療費を減額できます。ソーシャルワーカーが対応しますので、気軽にご相談ください。
HIV感染症/エイズについて初めて受診なさる方へ
地域医療連携課に電話で直接連絡をしていただければ、受診日を予約します。
また、予約なしで当日に受診しても構いませんが、午前中の受診をお願いします。ただし、担当責任者が対応できない事もありますのでご承知ください。HIV感染の有無を調べる抗体検査は当日に結果をご説明します。
その他
HIV感染症/エイズ診療は、慢性疾患として対応する病気の一つである時代となりましたが、時に当院では対応できないケースもあります。その場合は、千葉県のエイズ拠点病院、都立駒込病院、 国立国際医療研究センター病院との連携をとりながら診療を進めています。
担当者
医師:松永 伸一(総合診療/呼吸器科、日本エイズ学会員)
看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー