連携室の窓からNo.45 November
当院の呼吸器科は、川村、松永の常勤医師(入院、外来)、大学からの非常勤呼吸器内科医師(外来)体制で診療しています。入院患者さまの診療には、呼吸器医師の他に総合診療科医師が加わります。ご紹介頂いた患者さまは、同日に胸部CT、気管支鏡などは1週間以内にできるよう、迅速に診断、治療に結び付けるようにしています。
2010年8月から2011年8月までに、ご紹介いただいた患者さまは、271名でした。その内訳は、ご紹介後即日入院となった患者さまが113名、外来で精査・加療をさせて頂いた患者さまは158名でした。入院となった患者さまは、肺炎が多くを占め、自然気胸、喘息・COPD、間質性肺炎と続きます。肺炎では、高齢者の誤嚥性肺炎からレジオネラ肺炎などの比較的稀な肺炎、アスペルギルス症などの真菌症も見られました。さらに、エイズ治療拠点病院になり、ニューモシスチス肺炎などの日和見感染症患者さまのご紹介も増えてきました。また診断に苦慮する間質性肺炎の原因は多岐に渡ります。喀血に対しては、血管内治療も積極的に行っています。外来での精査・加療を行った患者さまでは、悪性腫瘍を含むレントゲンでの異常陰影が最も多く、肺炎、喘息+COPD、抗酸菌症、間質性肺炎、じん肺、睡眠時無呼吸症候群と続きます。サルコイドーシス、肺胞蛋白症の患者様もいました。非結核性抗酸菌症は徐々に増え、結核も決して稀ではなく入院患者さまは陰圧室での管理、外来では通院治療または排菌例は化学療法研究所などに紹介しています。
今後とも地域の皆様の期待に応えられるよう、一層努力していきたいと思います。何かお気づきの点がございましたら、ご連絡を頂けると幸いです。
ご紹介後即日入院となった患者内訳:113人
腫瘍 | 肺炎 | BA/COPD | 間質性肺炎 | 気胸 | 喀血 | その他 | |
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人数 | 3 | 84 | 6 | 4 | 8 | 1 | 7 |
ご紹介後外来での精査・加療となった患者内訳:158人
腫瘍 | 肺炎 | BA/COPD | 間質性肺炎 | 抗酸菌症 | じん肺 | SAS | その他 | |
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人数 | 57 | 23 | 18 | 10 | 18 | 4 | 5 | 23 |
Topics
患者背景も踏まえた安全管理
医療機器安全管理責任者
阿部 純一
医療機器安全管理責任者の阿部と申します。現代の医療では様々な診療場面において医療が無くてはならない状態でありまして、その医療機器が安全に稼動するように定期的な保守点検やメンテナンスなどを行う部署がME室であります。
MEとはMedical Engineeringの頭文字を取った略語でして、我々は「臨床工学技士」という国家資格のもと、医療機器の安全管理に携わっています。現在、病院・診療所合わせて20名の臨床工学技士が勤務にあっており、40機種300台ほどの医療機器の安全管理を行っています。またメンテナンスだけではなく、専門性を活かして維持透析療法、心カテ・循環器関連、集中治療、呼吸療法などにおいて技術・職能を発揮しています。
ME室では「機器だけを診るのではなく、患者背景も踏まえた安全管理」を目指しています。このようなME機器安全管理を通じて少しでも地域医療に貢献していければと考えております。