臨床研修の役割と機能
当院は医師法第16条に基づき厚生労働大臣より指定された基幹型臨床研修病院です。
基幹型臨床研修病院とは、医学部を卒業し、医師免許を取得した医師(臨床研修医)が、卒後2年間でプライマリ・ケア(病気の初期診療)の基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身に付けるための臨床研修の実施及び管理を行う病院です。
当院での医師研修は、医師としての基本的な診療能力として地域医療を担うための基本的臨床力量、すなわち主治医としての役割を担うことのできる医師を養成するものですが、そこにとどまらず、社会的取り組みを実践する視点を身につけることも目標としています。
下記の理念・基本方針のもと臨床研修に取り組んでおり、臨床研修医が指導医・上級医の監督の下で診療を行うことがございます。研修医の行う診療などでご意見がございましたらお知らせください。ご理解とご協力をお願いいたします。
東葛病院 医師臨床研修の理念
- 地域に求められる総合的な臨床能力を獲得する
- 人権を尊重し、無差別・平等の医療を実践する
- チーム医療を理解し、リーダーとして成長する
- 自らが研修プログラムの改善に取り組み、生涯学び続ける姿勢を身につける
東葛病院 医師臨床研修 基本方針
- 1.基本的臨床能力の獲得
- 全身をマネージメントできる能力、チーム医療を理解しリーダーとしての役割を発揮する能力、医療リスク管理を正しく理解し、安全で納得がいく医療を提供できる能力を養う。
- 2.地域医療とPrimary Careの理解と実践
- 地域医療の全体像を理解し、プライマリ・ケアの5原則「近接性」「包括性」「協調性」「継続性」「責任性」と、プライマリ・ヘルスケアの5原則「平等性」「住民の主体的参加」「予防重視」「適正な技術」「多角的アプローチ」といった内容について学習する。
- 3.医療人として成長する
- 医師の社会的使命と責任を理解し、社会常識を涵養し、社会人としても医療人としても成長する。
- 4.Life-Long Learningの理解と実践
- 生涯学習を続けるための自主的な態度や技術を身につける。
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2016年3月 作成
2018年3月 更新
2020年3月 更新
2024年3月 更新
東葛病院 研修管理委員会
2年目の初期研修プログラム(例)
研修プログラムについて(研修プログラム責任者)
研修の特徴
研修医インタビュー(初期研修医)
1ヶ月のオリエンテーション
東葛病院の多職種体験研修をはじめ、入院患者体験、救急車同乗体験を行い、多職種の専門性の理解、同期の仲間との交流を行います。また、地域診療所、近隣連携病院などの施設見学を行い地域にある医療機関や施設の医療連携の内容を理解します。1ヶ月をかけて行うオリエンテーション期間中に、全国の民医連の仲間との交流や研修も行います。
6ヶ月の導入期研修(総合診療科)
医師としての基本を学ぶ時期として最も重視しています。この期間は屋根瓦方式で主治医としての基本的役割を学び、病棟を移動せずにじっくりと研修を行います。基本的な診察方法、治療法、各種手技の習得もこの時期に集中して研修します。導入期研修終了後も、各科をローテートしながら、救急外来、当直研修などを並行して行い、地域の第一線医療機関に訪れる患者の、最も一般的な健康問題に対応できる能力を身につけていきます。
主治医機能
総合診療科外来や退院患者のフォローアップ外来を担当します。入院時の受持ち患者は、研修期間中は主治医として関わり、介護保険の主治医意見書などの記載もできるようにします。関連する診療所外来や訪問診療も適宜研修できるプログラムとなっています
カンファレンス機能
患者を中心とした医療の実践のために、多職種の参加したカンファレンスも適宜開催され、主治医として意見を述べる能力、組織をコーディネイトする能力を身につけます。
導入期研修以降
2年間の臨床研修中の研修方式はローテート研修を基本とします。
経験できる症例(※初期研修2年間で150人前後の受け持ち患者)
呼吸器 | 慢性呼吸不全、肺炎、肺癌、喘息、気管支炎、肺結核、肺気腫症、肺繊維症 |
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消化器 | 消化性潰瘍、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、消化器癌、イレウス、感染症腸炎、急性膵炎、胆嚢炎、大腸ポリープ |
循環器 | 心不全、狭心症、急性心筋梗塞、不整脈 |
代謝 | 糖尿病、高脂血症 |
脳神経 | 脳梗塞、脳卒中、クモ膜下出血、感覚性失語症 |
腎 | 慢性腎不全、ネフローゼ症候群、尿管結石、腎盂腎炎、膀胱炎 |
血液疾患・その他 | 鉄欠乏症貧血、悪性貧血、悪性リンパ腫 |
当直研修
導入期研修の途中から、救急センター業務になれる意味で、看護師の業務研修を行い、段階を経て概ね2年目から翌日まで通しの当直研修を行います。当院では、市内の30%(月間200台以上)の救急車受入れとウォークインで来院する救急患者に対応します。当直研修は週1回程度、ローテート研修中も行います。
地域医療・訪問診療
- 訪問診療研修で、往診の担当医として在宅医療に必要な能力を身につけます。
- 地域の第一線の診療所での外来、在宅医療の研修を行うことができます。
- 健診活動への参加が可能で、希望により職場巡視などの産業医活動の研修を行い、予防医学の研修も行うことができます。
- 患者会の主催する医療相談会に参加するなど、地域住民とともに健康増進の取り組み、予防・啓蒙活動にも参加し講師活動などを経験します。
外部の病院で行う研修科
当院プログラムで必修としている研修科のうち、精神科(最低1ヶ月)は法人内の病院などで、地域医療(最低1ヶ月)は法人内の診療所などで行います。
東葛病院 初期臨床研修プログラム
2025年度
- プログラムの名称
- プログラムの目的と特徴
- プログラム責任者と参加施設の概要
- 研修カリキュラム
- 各科責任者リスト
- プログラム定員
- 研修目標
- 研修計画
- 研修一般目標(GIO)・行動目標(SBO)・方略(LS)・評価(Ev)
- 研修評価
- 募集、採用および選考方法
- 研修修了の認定及び証書の交付
- 研修修了後の進路
- 研修医の処遇(実績)
- 資料請求先
NPO法人卒後臨床研修評価受審結果
2022年12月1日付けで2年間の認定(更新)を受けました。
同機構は" 国民に対する医療の質の改善と向上をめざすため、臨床研修病院における研修プログラムの評価や研修状況の評価を行い、臨床研修病院のプログラムの改善、よい医師の養成に寄与することを目的としています。" (JCEPホームページより抜粋)
研修病院としての第3者評価をいただくことで、研修の質の向上を図り、さらによい研修を目指す、自院の研修を振り返る大変貴重な機会となります。
今回の受審で同機構より院長とプログラム責任者である副院長とを中心に、コメデイカルスタッフ、事務職員を含め、病院全体が一体となって、良い研修を実現するように努力しています。研修を受けている研修医も、高いモチベーションを持って努力しています。
機構からは、
「貴院においては、就職後1ヵ月間の看護師体験を含む丁寧なオリエンテーションがあり、その後の「導入期」として総合診療科での6ヵ月間を医師としての基本的診療能力の修得にあてておられます。このような「一歩一歩階段を上るように」計画された研修プログラムは、研修医、指導医から高く評価され、貴院の医療人養成にかける熱意が表れています。高齢化の進んだ旧来の街と新たに人口の増加する若い街の両面を持った地域において、貴院は医療資源が相対的に少ない診療圏の中核医療機関として多様で多忙な診療の中でも、さらに質の高い臨床研修を実現していかれるよう期待します。益々のご発展を祈念いたします。」
という評価をいただきました。
このような第3者による評価を受けることで、常にプログラムの検証・改善を行うため、プログラム自体の質的向上に役立ち、研修先病院として医学生の皆さんに安心して当院のプログラムにご参加いただけると考えています。
募集要項
2年次 406,600円
※固定時間外手当、宿舎補助を含む
賞与 年2回
家族手当(最初の1名12,000円 以降1名につき8,000円)
その他各種手当てあり
年次有給休暇(1年次10日間、2年次14日間)あり
育児休暇あり(院内保育園「おひさま保育園」設置)
その他、結婚休暇等あり
社会保険、厚生年金 等有
個人加入:任意
学会、研修会等への参加費用:支給あり(規定による)
研修医寮完備 流山セントラルパーク駅前(賃料 18,000円)